Persuasive Technology - 人を動かすテクノロジ

「Persuasive Technology」テクノロジが人の行動をどのように変えるのか?ということに興味があります。現在は、サンフランシスコベイエリアに住み、東京に年に数回出かけています。

Wednesday, November 01, 2006

Persuasive goals at web sites

Web 上で個人情報を公開しすぎていませんか?という記事を読んで、2003年頃にBJのラボで行ったアクティビティを思い出しました。

googleの検索対象を入力するフィールドで"www"とタイプすると、ウェブ上でアクセス数の多いウェブサイトランキングが結果として表示されるとのこと。
英語圏のトップ20の中には、yahoo, Amazon, msn等が含まれていました。そうしたウェブサイトには、ウェブサイトを訪れたユーザーがある行動を行うことを狙ってデザインされた要素があります。

例えば、
- 個人の名前、住所等の個人情報を入力させ、アカウントを作成させる
- 「お友達に知らせる」などのリンクがあり、友達のe-mailを入力させる
といったものがある。

各ウェブサイトがユーザーをそうしたtarget behaviorへ仕向けるために、どのようなインターフェイス、画面のレイアウトや手順、言葉遣いをしているかという点についてディスカッションしました。結果は特にまとめなかったので、残念ながら何もお知らせすることはできません。

ともかく、このアクティビティにBJと取り組んでから、個人情報の入力に非常に敏感になったのは確かですが、実際避けて通れない。便利さには変えられず、入力した情報は盗まれてしまっても仕方ないと諦めつつ、自分のアカウント情報の周辺で怪しい変化がないかを監視するようにしています。

Monday, October 30, 2006

もう一年たってしまった。。。

気がつけば、本が出版されてから早いもので一年。書き始めては何度も挫折しているこのブログ、でもまた続けます。:)

最近、非常にPersuasiveだなあと思うのはmixi。私は2004年の初めからのユーザーでしたが、あのコミュニティにはただ属していただけ。それなのについに日記をはじめてしまいました。
その理由は、大学時代からの親友がこの夏にmixiユーザーになり、「友人のみ公開の日記」をはじめたから。読むのは面白いし、だからサイトをまめにチェックするようになってしまい、そしてついコメントもしたくなってしまう。そして友人はまた更に書き続けてくれる。

彼女とは大学の数学科で一緒に卒論を仕上げた間柄で、一緒にc言語でプログラミングをしていました。正直いってあんなに文章の面白い人だとずっと知らなかった。

mixiで日記を書かせてしまうしくみ
「日記を書く」「友達からコメントがある」このループが楽しい。だからまた書く。
カレンダーにいつ日記を書いたがすぐに分かるように表示される>>「しばらく更新してない、何か書こう」と思う。

「友人だけに公開の方が書きやすいな」と思ってつい私もスタート。そしてこちらのパブリックのブログはずっと更新せず。

mixiには、Persuasiveな要素が本当にたくさんあるんです。例えば「足あと」とか。
私はmixiに対しては肯定的な意見も否定的な意見ももっておらず、ユーザーとして楽しんでいるし、「このデザインはPersuasive!」と研究対象としても楽しんでいます。

念のため「Persuasive - 説得」というのは強制とも人をだますのとも違って、ユーザーが自分で理解して行動を変えるための働きかけなのです。

Thursday, March 02, 2006

携帯電話に求める機能

おもしろいニュースを見つけました。
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0602/24/news133.html
KDDIと慶應義塾大学経済学部の武山研究会のコラボレーション。その中に、

“目標を達成するために情報を発信する、意志の弱い人向けのサービス”という例

という携帯電話上のアプリケーションのアイデアが紹介されていました。これは、BJの本で述べられているコンセプトとオーバーラップがあるので、ぜひこのリサーチをBJとラボの仲間に紹介したいと思いました。
#実例としては、禁煙や減量という行動目標を達成するための携帯電話のアプリケーションを開発している方をweb上で、2003年の春頃に見つけたことがあります。

このKDDIと武山研究会のリサーチメソッドと結果はとても興味深いです。
アメリカの携帯電話使用の現状は日本とはかなり違って、今でも主に「話すための道具」として使われています。Mobile deviceのpersuasive applicationについてのリサーチをもっともっと進めたいとPT Labのメンバーの皆が望む一方で、スタックしているのが現実です。テクノロジツールが広まるためには、ソーシャルファクター、そしてライフスタイルの影響がとても大きいわけですが、少なくとも郊外型ライフスタイルを送るスタンフォード、シリコンバレー周辺では、携帯電話のモバイルデバイスとしての役割がようやく伸びはじめてきたところ。今回皆さんが発表されたリサーチと同じことをスタンフォードでやって成功するかは分からないけれど、2年位長期に渡って行うとおもしろい結果が得られるかもしれないなあと思いました。

このリサーチの続き、どんなアプリケーションが出てくるのかがとても楽しみです。

Sunday, February 26, 2006

まだまだ厳しいシリコンバレーの就職活動

私の大学院時代の友達で、UI Designerの採用面接の面接官の一人として立ち会った経験をもつ子が言うには、ひとつのポジションの募集につき、100名以上の応募があるそうです。さらにどの応募者のポートフォリオも経験も素晴らしく、何で彼らが求職中であるのかが不思議な程で、これは、UI DesignerやUI Researchというポジションについては、仕事探しは全然楽になってないということをよく表していると思います。最近採用を増やしている会社のそうしたポジションに対し、友人からの紹介でresumeを出したのに、2ヶ月以上たった今でもレスポンスはありません。

さて、最終的に決まった仕事のqualificationは、友人達が「これはChikaのために書かれたんじゃないの?」というものでした。欲している仕事のオープンを仕事探し中に見つけられたら、一般的な景気とか就職活動の厳しさって関係なくなってしまうんです。会社内で、レイオフしている部署がある一方で、週に10人程度は常に採用していく企業もあるそうです。

仕事探しを助けてくれたうちの犬の話。こちらからどうぞ。

Thursday, February 23, 2006

シリコンバレーで就職活動

昨年末から就職活動をしていました。3ヶ月も更新を怠り、ブランクがあいてしまってすみませんでした。

シリコンバレーの景気は上向いてきていると言われていて、確かにJob Openingは増えているようです。しかし、resumeを出した会社の数とレスポンス数から私の感想を述べると、外国人としてアメリカで仕事を探すのはやっぱり楽ではありません。不可能ではないのですが、確率から言うと、外国人である(グリーンカードがない)と厳しいのは確かです。


仕事探しを始めたら、まずは友達が働いている会社のウェブサイトをチェック。シリコンバレーにあり現在採用を増やしているY社、G社、A社、M社、S社他多数、社員紹介プログラムを通じてresumeを出しました。それから、コンサルティングファームに勤めている友人にもOpenがないか聞いてresumeを出してもらったり。コンサルティングファームの友達は、取引先とか、過去に東京ベースで仕事をした仲間とかにあたってくれたりもしました。NYベース、LAベース、東京ベースの知人にもたくさんメールを出して仕事を探していると近況報告。Stanfordで知り合った先生、知人、PhDをとって会社を始めた友達などにもメールを出しました。
仕事を紹介できないとしても、resumeにアドバイスをくれたり、自分のパートナーや知人に相談してくれたりと、力になってくれた人はたくさんいます。他にもオンラインのMonsterとか、Hot Jobとかに一応resumeをポストしたのですが、全く期待はしてなかったです。忘れた頃に、コンタクトを取ってきた会社はいくつかありました。

それから、「失業中であること、求職中であることを、多くの人に積極的に話して歩いた」のもよかった。シリコンバレーでは、求職中である「in between opportunities」というのは恥ずかしいことではないし、そういう人はたくさんいます。「仕事探してるんだ」というと、必ず「で、何が出来るの?」と聞かれるので、エレベータピッチもいくつかバージョンをもっていると役立ちます。

私は、シリコンバレーの技術者が集まるForum、JETROのイベント、日本人ではなく日系人の2世3世のコミュニティとか、中国人、韓国人、フィリピン人のイベントやら、時間があれば出かけて知人を増やしたり、情報収集もしました。日本人コミュニティと、日系人コミュニティって実は別で、両方に顔を出している人が意外と少ないことは新しい発見。

そんな中での出会いをいくつか紹介すると、エンジニアが集まるフォーラムで出会ったVCの方は「私の知っている日本人女性でこちらで働いている人がいる。会って話してみたら何か参考になる意見がもらえるんじゃない?」と友達を紹介してくれました。また、ある日、カフェでお茶を飲みながらPowerbookで作業をしていると、たまたま隣のテーブルにいた人が日本で3年くらい暮らしたことがあるとかでおしゃべりが始まり、そこから仕事探しに役立つご縁や情報、アドバイスをもらったり。

うちの犬を連れて歩いていた時には、こんなこともありました。
「君は、この辺りで働いているの?」
「この辺りに住んでるんだけど、実は現在仕事を探してるんだ」
「ふーん、何が出来るの?」
「ソフトウェアのデザイン、開発、QEとか。ソフトウェア業界の経験は6年あるよ」
「本当?僕、McAfeeで働いてるんだけど、resumeをメールしてよ」

結局この話は決まらなかったのですが、いいご縁だったと思います。
つづく。。。

ソフトウェアという道具

12月の初めに、あるソフトウェア会社のマネージャさんと話をしていました。

「あなたにとってソフトウェアやコンピュータってどんなもの?」
「私はコンピュータを使うと、自分の発想の出方とか、思考のプロセスも変わるし、はっきりいって『だってないと困るじゃない』という道具になっている。紙とえんぴつみたいなものです」

と答えました。これはJob Interviewでの質問のひとつだったのですが、私ソフトウェア好きだなあと改めて思ったよい瞬間でした。この時お話しした方は、artが好きで、自分で絵も描くし、hands-onなものが好きで、感性、ものの見方とかいろいろなバランスが私と似ている方だったのでJob Interviewとは思えない楽しいおしゃべりをしました。

ところで、digital divideって、コンピュータが使える使えないの議論ではないと思うんです。コンピュータをメールとかウェブを見る、ワープロの代わりに使っている人たちと、それを超えた道具にしてしまっている人のギャップは残念ながらまだまだある。
この続きはまたいつか。

Saturday, November 05, 2005

Captologyとは?

Captologyとは、Computer as Persuasive Technologyの略です。
説得のためのテクノロジとしてのコンピュータ学と訳しました。

Captologyは、BJが作った造語です。コンピュータは人の考え方や行動を変えることができる、そういうゴールの下に設計することができる、そのための研究分野をCaptologyと呼ぶことにしました。

説得は、好意的な状況、非好意的な状況の両方において行われるものです。例えば、セールスのための説得は非好意的な印象でとらえられがち。しかし、人を助ける、励ますための説得は良いものとしてとらえられるでしょう。

この本の中では、好ましいテクノロジと好ましくないテクノロジの両方が紹介されていますが、BJは、「人を助けるためにテクノロジをデザインしたい、人を欺こうとするテクノロジに対しては立ち向かおう」という考えをもった人です。テクノロジのネガティブな側面を人々が理解して、不利益をこうむることがないように、人々のテクノロジリテラシーを高めたい。Captologyの教育を広めたいともよく言っていました。

ところで、トニー・チンさんとの対談が、CQ出版のウェブサイトに掲載されています。ご覧ください。
http://www.cqpub.co.jp/interface/column/tony/2005/200512.htm

Wednesday, November 02, 2005

ZPD - 海外旅行先での学び

先日、初めての海外旅行でシリコンバレーにやってきたという人に会いました。「スーパーで買い物するときに困ってしまって。。。」と言われたことが頭の片隅に残っていて、見知らぬ土地のスーパーでの買い物の方法について私だったらどのように学ぶだろうと考えました。

まずスーパーでの買い物のシステムというのは、基本的に日本と同じで、自分で欲しいものをとってレジに向かいます。というわけで基礎的な知識はもっていることになります。
スーパーにて、自分が欲しいものを手に取ってレジに向かいます。そして、少し列が長めのレジの最後尾に並びます。そして前の人がどうしているかをじっくり観察して、自分の順番が来たら真似します。

アメリカの場合だったら。。。
前の人はかごやカートの中身、自分が買う品物を出して、ベルトコンベヤーの上に並べているはず。それを見ながら、品物を自分でかごから外に出して並べるのかと気付く。そしてそれを真似する。そして、前の人がレジ係の人とやりとりする順番がきました。レジの人は、Hello, how are you?のように話しかけるかもしれません。どのように前のお客さんが答えているかを観察。自分の順番が来て、そうしたやりとりが始まったら、その応対を真似するとよいと思います。

これを、数回繰り返すと、スーパーでの買い物に慣れてくるでしょう。この学びというのは、Zone of Proximal Development(ZPD)のひとつの例と言えると思います。