チームの発想

2002年から2003年にかけて、スタンフォード大、Learning Design Technology Programで修士号を取った後に、その時の体験を振り返りながら近況報告をかけて、学んだこと感じたことを共有するためにブログをはじめました。6年間休んだ後、再開です。:)

Saturday, November 05, 2005

Captologyとは?

Captologyとは、Computer as Persuasive Technologyの略です。
説得のためのテクノロジとしてのコンピュータ学と訳しました。

Captologyは、BJが作った造語です。コンピュータは人の考え方や行動を変えることができる、そういうゴールの下に設計することができる、そのための研究分野をCaptologyと呼ぶことにしました。

説得は、好意的な状況、非好意的な状況の両方において行われるものです。例えば、セールスのための説得は非好意的な印象でとらえられがち。しかし、人を助ける、励ますための説得は良いものとしてとらえられるでしょう。

この本の中では、好ましいテクノロジと好ましくないテクノロジの両方が紹介されていますが、BJは、「人を助けるためにテクノロジをデザインしたい、人を欺こうとするテクノロジに対しては立ち向かおう」という考えをもった人です。テクノロジのネガティブな側面を人々が理解して、不利益をこうむることがないように、人々のテクノロジリテラシーを高めたい。Captologyの教育を広めたいともよく言っていました。

ところで、トニー・チンさんとの対談が、CQ出版のウェブサイトに掲載されています。ご覧ください。
http://www.cqpub.co.jp/interface/column/tony/2005/200512.htm

Tuesday, November 01, 2005

コミュニケーションとは何か?

LDTで勉強を始めてから、コミュニケーションとは何か?と折にふれて考えるようになりました。

ある本によると、全てのコミュニケーションは質問のキャッチボールであるといったようなことが言われたり、また別の本では全てのコミュニケーションはPersuasionであると言われたりします。それぞれの研究者の分野、立場によって注目している点が異なるということで、どの意見にも私は納得です。

先日、マーケティングのコンサルティングをする方が、セールス、マーケティングコミュニケーションという場面で、消費者にメッセージを伝えること、つまりコミュニケーションを成立させるために必要な要素は以下の3つであると言っていました。




  • 聞き手が知りたいと望んでいる内容であり、話を聞こうという姿勢にあること
  • 内容が聞き手にとって理解できるものであること
  • 聞き手がそれを信じたいと思えること

これは相手を説得するあらゆる場面にあてはまる基本的なポイントです。セールスに限らず、レクチャーをするときなどでも同じことが言えます。

日本語でも英語でも言語によらず、人は無意識のうちに相手に「そうだよね」と同意を得るために話している場合がよくあります。それは言葉遣いにも現れてきます。それが全てのコミュニケーションは説得だという意見に私が納得した理由です。