チームの発想

2002年から2003年にかけて、スタンフォード大、Learning Design Technology Programで修士号を取った後に、その時の体験を振り返りながら近況報告をかけて、学んだこと感じたことを共有するためにブログをはじめました。6年間休んだ後、再開です。:)

Friday, May 13, 2005

「未来の学びをデザインする」を読んで

美馬のゆり氏、 山内 祐平氏が執筆された「未来の学びをデザインする」を読んだ。
この本には、学びの体験をデザインするためのprinciples、デザインの規範、ルール、頼りになるアイデアが、たくさん詰まっている。

Learning Designはアートであり、工学なのだと思う。
「ある学びのゴールを達成する」というデザインの目標を達成するにはどうしたらよいのだろう?という問題に、デザイナーは取り組む。
デザインの過程では、学びのサイエンスの理論、人がいかに学ぶのか?という理論を駆使しながら、アートのように自由に、creativeに学びの体験を作って行く。けれどもこれは「工学」でもあるから、ただ「作っちゃった」ではいけない。作り上げたもの、成果物を同じように作るにはどうすればよいのか、デザインの成功の確率を上げるために、このデザインプロセス自体から抽出したprinciples、デザインの規範、ルールを次の人に残して行けたらすばらしい。
それが、作り上げたデザインから次のデザインに継承される「デザイン規範 - Design principles」というものだと思う。

Design principlesはデザインの初期のステージで「どういう方針で進もうかな?」と迷っている時に、既にあるデザインに習って取り入れられるtheoryである場合もあるし、デザインしながら新しく生まれてくる場合もある。

私のLDT時代の最初のプロジェクトパートナーのKevinと私は、いつも新しいprinciplesを生み出してしまっていた。2人でブレインストーミングすることで互いのクリエイティビティをより引き出す事が出来たし、2人とも即興が得意だった。生まれたものの中から例をあげると
「Authorities can make a mistake.」
- 校長先生だって間違えるんだ。質問することを恐れちゃいけない

これだけ見ても何の事だか。。。と思われるかもしれないけれど、このプロジェクトでは、「物事、情報を鵜呑みにしないで子供に考えさせるにはどうすればよいか?」というのが我々が取り組んだ「学びのゴール」であった。だから、上記のコンセプトをデザイン規範のひとつとして、学びの体験をデザインしたのである。

こんな風に、かなり自由にprinciplesをアイデアとして生み出していましたが、これは結構重要なコンセプトだったなと今となっては思います。

2 Comments:

  • At 7:25 AM, Anonymous Anonymous said…

    Andoさん

    はじめまして。
    未来の学びをデザインするをお読みいただいてありがとうございます。

    Learning Design Journal 、ぜひがんばって続けてください。

    またときどきおじゃまします。

     
  • At 10:13 PM, Blogger Chika said…

    山内さん、

    コメントをありがとうございます。
    先日、のゆりさんと会った時にも申し上げたのですが「この本はビジネス書の棚に置くべき!」です。単に多くの方に読んで頂きたいという理由なのですが。

    LDTに入ってからの私の変化のひとつに「人間の全ての行動が学びとして見えて来た」ということがあって、その考えを多くの方と共有出来たらと思います。

    私自身は、決して学校で真面目な学生ではなかったですし、こつこつ努力するタイプでもなく、だから大学院へ戻る前に7年間も社会人していた程のんびりしていますが、「学び」のファンであることは自信を持って言えます。:)

     

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