チームの発想

2002年から2003年にかけて、スタンフォード大、Learning Design Technology Programで修士号を取った後に、その時の体験を振り返りながら近況報告をかけて、学んだこと感じたことを共有するためにブログをはじめました。6年間休んだ後、再開です。:)

Sunday, May 15, 2005

LDT EXPO 2005 Report

ひとつ前のエントリで、Master's project について、LDT プログラムを終えるとどんなスキルを得られるのかを書きました。
今日は、今年の LDT EXPO の様子を紹介します。

学生は、6月にLDTプログラムをスタートして、その第2週くらいからMaster's projectのテーマ、自分は何に取り組むのかを意識させられます。最終的にテーマを決めるのは、9月,10月頃。そして"NABC" (Needs, Approach, Benefits, Competition)というドキュメントを提出。
NABCについては、SRIのサイトをご覧下さい。
http://www.sri.com/about/card.html

そして、literature reviewを行ったり、自分たちが取り組むLearning goalについて、より明確にしていくリサーチを11月中に行い、正式なプロポーザルを仕上げます。
12月に入って、ストーリーボードやペーパープロトタイプ。1月には、カリキュラムデザイン、Flashを使ったりしながらコンピュータ上でのプロトタイプ作成にかかり、その間にユーザーテストやインタビューなども行います。このユーザーとのやりとりのサイクルを3月末までに2回程行って、自分たちのプロトタイプの評価も行います。
4月に入ってからは、5月初旬のEXPO当日に向けて最後の追い込み。Web site上にプロジェクトをまとめたり、デモを作ったり、ポスターを作ったり。
さらに、EXPO当日に配るチラシや名刺のオーダー、ゲストに振る舞うスナックやキャンディーの準備も忘れずに。そうして当日を迎えます。Class of 2003の私の友人の中にはプロジェクトを記念したTシャツまでオーダーしてました。
当日のプレゼンテーションではプロフェッショナルに、スーツとまではいかなくても一応ドレスアップします。午前中に教授陣の前でプレゼン、フィードバックをもらって、談笑しつつ一緒にランチをとった後、午後にポスターセッション。展示会のようなものを行います。

というのが一応の流れです。

以下に、今年のEXPOの一コマを紹介します。




この2つの写真は、3人の学生のチームによる "Face 2 Face"というプロジェクト。
International studentsが、アメリカの大学にやって来て何の準備もなしに学生生活を始めると、言語や文化の違いに戸惑うだろう。彼らがスムーズにアメリカでの大学生活を始められるように、渡米する前(distributed)、渡米してから(co-located)、合計10のセッションを受けるというもの。アメリカの文化や社交ルールを理解したり、自分の文化を紹介出来るように渡米前に準備。渡米してからは、実際にアメリカ人学生とコミュニケーションしながら環境に慣れて行くようにするというコンセプト。
使っているテクノロジは、コンピュータ上のビデオミーティングやチャット等。


これは、企業内で社員に対し、コンピュータのウイルスについてその危険性を理解し、一人一人が責任もって自分のパソコンを管理出来るように教育するためのプロジェクト。
一人でデモも作って、このポスターの完成度は本当にすばらしい。このプロジェクトを行ったBeckyは、仕事もしながら5年越しでLDTを終えようとしています。Congratulations!


PDA上で、自分のスケジュール、体調等、自己管理出来るようにするためのアプリケーション。大きなプロジェクタに映してデモしているところ。彼女達のプロジェクト初期に相談にのった事があったのですが、その時は携帯電話上で動かす事を考えていましたが、PDAの方が適していると判断して変更したとのこと。

LDT の学生の Portfolio のページから、年度をクリックすると学生のプロジェクトが見られます。
http://www.stanford.edu/dept/SUSE/ldt/people.htm

0 Comments:

Post a Comment

<< Home