チームの発想

2002年から2003年にかけて、スタンフォード大、Learning Design Technology Programで修士号を取った後に、その時の体験を振り返りながら近況報告をかけて、学んだこと感じたことを共有するためにブログをはじめました。6年間休んだ後、再開です。:)

Wednesday, May 18, 2005

アセスメント - テクノロジを学びの場に導入した効果を測る

Master's project のひとつのプロセスで、「アセスメント」があります。これは、実際に自分達がデザインした「学びのデザイン」、つまりプロトタイプにより、学びが起こったかどうか?を実験するのです。

2年前の私のプロジェクトを例に話します。私のプロジェクトは、シェイクスピアのハムレットを読むための語彙を習得するためのロールプレイングゲームのデザインでした。このロールプレイングゲームの効果を実験するのに、地元の高校を訪れ、11th grade、日本では高校2年生にあたる生徒達に協力してもらいました。短期間の学生のプロジェクトですから、規模が小さい、簡単な実験であることはご理解ください。
私達の手順は以下の通り。
金曜日に高校を訪れ、プレアセスメント、単語の小テストをします。
次に、
グループAには、フラッシュカード、つまり単語帳でハムレットに出てくる難易度の高い語彙を週末に覚えて来てもらう。
グループBには、我々のゲームのプロトタイプを使ってもらう。(これは金曜日に実施)

週明けに、この高校を再び訪問。紙と鉛筆を使って簡単な小テストをします。その結果、このツールにより学びが起こったか、フラッシュカードに比べてどのような違いが見られたかが分かります。

この時に思ったのは、アセスメントは誰のために行うのか?ということ。
学習者のために行うのか?それとも、教育者、研究者が自分たちの試みが成功であることを示すために行うのか?

この実験を終えた後、自分達のツールが機能する事を証明するためにアセスメントをしているのではないだろうか?と私は思ったのです。もちろん、学校にテクノロジを導入するのにはお金がかかりますから、そのテクノロジ自体の効果を証明することは大切なことだと思います。学びの場をより良くするという意味では、学習者のためにもなっている。
その一方で、このアセスメントを本当に学習者のために活かすにはあと一歩足りない。学習者に本当に学びが起こった事、「自分は学んだのだ!」と学習者が気付くようにフィードバックを返してあげる事、そこまでやることが理想だと思います。
それば実現出来たら「自分から学ぶ」「学びは楽しい」と感じる、lifelong learnerが増えるのではないでしょうか?

これについては、以前ペーパーをpublishしたことがあるので、別の機会に詳しく話したいと思います。

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