チームの発想

2002年から2003年にかけて、スタンフォード大、Learning Design Technology Programで修士号を取った後に、その時の体験を振り返りながら近況報告をかけて、学んだこと感じたことを共有するためにブログをはじめました。6年間休んだ後、再開です。:)

Wednesday, May 25, 2005

今までどこで学んできましたか?

美馬先生、山内先生の書かれた「未来の学び」をデザインするという本の107ページに以下の質問があります。

「あなたは今までどこで学んできましたか?」
「誰から?」「どのように?」「何を?」と質問は続きます。

これに対して私のこたえ。
「学校で」
「教官から」
「決められたコースを実際に走って、繰り返し練習して」
「バイクの乗り方を」
学んだ。

しかし実際にバイクの乗っている時に使っているpracticalなスキル、高原のワインディングを走る時のブレーキの使い方、未舗装路でどのようにバイクを傾けて曲がるのか、公道や高速でどのように他の車に注意を払うかといった技術は、学校で学んだものではありませんでした。バイク乗りの仲間と一緒に走りながら、見よう見まね、彼らに聞きながら、ミスをした直後に注意されたりしながら、実際にそのスキルを使うべき場面で学んだものがほとんどでした。

これは、本の中で述べられているヴィゴツキーの理論に当てはまります。P108からP109にかけて、ヴィゴツキーの社会的構成主義、それから、Zone of Proximal Development(ZPD)にも触れられています。「学び」について考える体操として、上の質問について少し考えてみてはどうでしょうか?

この質問を私が美馬さんから聞いたのは、Stanfordの学生になって、約6ヶ月が経過した頃のこと。「学び」について、Learning Designについて毎日毎日考えていた時のこと。Learning theoriesについて勉強しながら、自分の学びを第3者的に観察するのを面白く感じ始めた頃のことでした。

補足:
私は留学する前に、オフロードのバイクYAMAHAのSerowというバイクに約6年間乗っていました。serow.comというドメインまで持っています。


ZPDについて私が過去に書いた論文から抜粋します。
わたしの考える子ども学〜プレイと学び
「日本子ども学会(Japanese Society of Child Science)」設立記念懸賞論文, 2003
 子どもの発達段階をその子どもが一人で解ける問題の難しさを尺度として示すやり方もあるが、現在到達している発達段階の一歩先にある「他者の助けを借りて解ける問題」のレベルで見せることもできる(Tharp & Gallimore,1988)。つまり「一人で出来ることと、助けを借りて出来ること、その2つの課題に要求される能力の差」がその子どもの「発達の最近接領域(ZPD)」である(Tharp & Gallimore, 1988)。

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