チームの発想

2002年から2003年にかけて、スタンフォード大、Learning Design Technology Programで修士号を取った後に、その時の体験を振り返りながら近況報告をかけて、学んだこと感じたことを共有するためにブログをはじめました。6年間休んだ後、再開です。:)

Wednesday, July 20, 2005

Engaging Schools - 学びの意欲についての研究

先日、Stanfordで開かれたシンポジウムへ行きました。
ナショナルリサーチカウンシルが行ったリサーチがまとめられ、Engaging Schoolsという本を出版されたのですが、そのプロジェクトに携わった研究者が集まり、プレゼンテーション、ディスカッションの場が持たれました。
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このEngaging Schoolsリサーチのまとめ役がStanford School of Education、DeanのProfessor Stipekでした。
「学びに対する意欲 - engagement」これは、ユニバーサルなコンセプトだと私は思います。学習者の「学びたい」という思いがなければ、学びは起こり難いのです。学んでいるように見えても、実はほとんど学んでいないということもあるかもしれません。Professor Stipekのコメントを日本語訳で紹介します。

「暗記が得意で標準テストのスコアが高い子もいます。その一方で、一生懸命やっている(try hard)のだけれど、上手く行かない、struggleしていて、学校の成績は良くない子もいます。でもそのプロセスで、その子は実際にすごく学んでいるわけです。成績が良くないというだけで、その子の評価が低くなる現在の教育システムというのはどうなのでしょうか。ただスコアが低いだけなのに、それを真に受けた子供は自分の人間としての価値が低いかのように勘違いし、学びの意欲を失い、学校からドロップアウトしていくこともある。学びの意欲をある時期に失ってしまったというそれだけのことで、その子の一生は大きく変わってしまうのです。」

Engaging Schoolsの要約はナショナルリサーチカウンシルのウェブサイトでもご覧になれます。
ぜひ読んで下さい。
http://books.nap.edu/catalog/10421.html

このシンポジウムの主旨ですが、Educational Researchの結果を現場の先生に使って欲しいと、研究者が実践者、現場の先生向けに開いたということです。また、研究者の側が、「現場の先生はどのような研究、情報を欲しているのかを知りたい」と伝え、対話する場でもありました。現場からの声を研究に活かしたいという姿勢がよく分りました。研究者と実践者の間でspeak upもspeak downもない、協調的な対話の場でした。

この考えは以下のProfessor Stipekの記事にも書かれているのでご覧下さい。
http://ed.stanford.edu/suse/news-bureau/displayRecord.php?tablename=notify1&id=377

How People Learnという、教育学の分野にいらっしゃる方の多くが知っている研究レポートのプロジェクトが行われている最中から、Engaging Schoolsプロジェクトも動いていたそうです。

また、Professor Stipekは、Engaging Schoolsリサーチの傍ら、East Palo Alto High Schoolの運営に関わりました。その業績についてはこちらをご覧下さい。このエピソードには心を動かされました。
http://news-service.stanford.edu/news/2005/june15/epagrad-061505.html

Engaging Schoolsについては、こちらでも紹介しました。
World Reachのウェブサイト

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